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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎






レイナを初めて抱いたあの夜から
長い月日が経っていた



東卍の仲間とは
もう、10年以上何の接触も取っていなかったが

大昔に交わした約束通り
俺たちはずっと関係を続けていた




これまでに
数えきれないほど身体を重ねたけれど

レイナとひとつになれないもどかしさが
未だに俺の心の中でくすぶっていた


どんなに強く抱きしめても
彼女から何度『好きだ』と言われても
心は遠いままで

その原因は、多分
俺たちの始まりである " 場地圭介の喪失 " にあった


これほど長い間場地のことを引きずったのは
悲しみの乗り越え方を間違ったからなのかもしれない



でも

あの頃の俺は
あんな方法でしかを彼女を慰めてやれなかったし

レイナもそんな俺に心の拠り所を見つけて
ついてきたんだと思う



不器用な俺たちは

互いに依存し合ったまま
歪んだ大人に成長していった






今にして思えば
渋谷を出たばかりの頃の
狭い部屋で一緒に暮らしてた数週間が、1番幸せだった


レイナからは事あるごとに『また一緒に暮らしたい』とねだられるけれど
ここまで組織が大きくなってしまうと、とてもそんなリスクは冒せなくて


だから
俺たちが会うのは月に一度
月末の水曜日だけで

場所はいつも
こんなホテルの一室だった



彼女は、俺のセーフハウスの場所を知らない

六本木のマンションに独りで暮らし
数年前から、インポート物のインテリア雑貨の店を経営している



俺たちの関係を知っているのは
梵天のなかでもごく限られた連中だけだった





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