第16章 東京卍リベンジャーズ・佐野万次郎
関東事変でエマを失い、東卍を解散させた俺は
仲間達を突き放し
レイナを連れて生まれ育った渋谷を離れた
移った場所は
新宿
家を出る時に持ってきた金を使って、繁華街の隅に小さな部屋を借り
この街特有の雑多な人混みに紛れるように暮らし始めてからひと月ほど経った、ある日
俺の前に三途が現れた
" マイキー、オマエはもっと闇に染まれ "
" たとえオマエに殺される日が来るとしても、オレはオマエを支える為だけに生きる。…オレだけはオマエの味方だ "
三途はそう言って頭を下げた
その後すぐに
俺の力が金になるとふんだのか、九井も俺の元へやってきた
ストッパーとなっていた仲間達から離れたことで、より強くなってしまった衝動のはけ口を探していた俺は
タケミっちから聞かされた未来では手にかけていなかったこの2人とならと、共に動くことを決めた
新しいチームの名前は " 関東卍會 "
頂点を目指し名を上げてきた " 梵 " 、 " 六破羅単代 " とぶつかったのは
東卍が解散してから2年後のことだった
三つ巴の戦いとなった三天戦争で、関東卍會が梵と六破羅単代を潰した後
俺は行き場を無くしていた鶴蝶に声を掛けた
イザナの忘れ形見のような存在だったこの男を関東卍會に誘ったのは
償いの意味が大きかったのかも知れない
一度は血の繋がった兄とまで思っていた
黒川イザナ
真一郎を慕い、愛するが故に
実の弟である俺を恨み
自分と同じ空虚を味わわせる手段としてエマを殺した
孤独と歪んだ嫉妬心に苦しんでいたイザナを
俺は何とかして救ってやりたかった
けれど
イザナの望むモノを与えてやる術のない俺には
どうする事もできなかった