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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ





エスコートするように階段を降りた後も
イザナは彼女の手を離さなかった


(……どうしよう………足元が危ないと思って…無意識に手ぇ出しちまったけど……離すタイミングが分からねー…)


早足で目的の場所へ向かいながら、チラリと後ろを振り返ると
頬を染めたレイナと目が合ってしまった


「…っ…もう、すぐそこだから」

『…うん…』





連れて来たのは
遊覧船の船着場

ほとんどの船が花火見物の為に出払っている中
予備の遊覧船が停めてある、桟橋の先頭へ歩いていく


『…黒川クン…毎年、ここから見てるの?』

「ウン。打ち上げ場所からすごく近くて、よく見えるんだ」


身軽な動きで先に乗り込んだイザナは
ブルーシートをめくって薄暗い足元を見回した


「…あー…渡し板が無いや……飛べるか?」

『…ぇっ…』


2人の立っている場所の高さは、ほとんど同じで
離れている距離も1メートルほどだった

けれど、運動が得意ではないレイナにとっては
実際よりもずっと遠くに感じた


微かに軋むような音をたてながら
上下に浮き沈みしている小型の遊覧船

間を隔てている
不気味なくらいに真っ暗な水面を前にして
彼女は表情をこわばらせた


『……』

「…ぁ……怖い…よな………やっぱ…船じゃなくて、他のとこ探…」

『…っ…大丈夫…』

「……無理…すんなよ…」


心配そうなイザナに
レイナは言った


『………やってみる。……黒川クンがいつも見てる花火…私も見たいもん』


彼女の真っ直ぐな瞳に
イザナは頷いた


「…………よし。来い」


その場から2歩後ろへ下がり
大きく深呼吸したレイナは

助走をつけ、思い切りジャンプすると
そのまま
広げられたイザナの腕の中へ飛び込んだ







「やったな♪」という声に
固く閉じていた目を恐る恐る開けてみる


ホッとして微笑み合った2人が
慌てて身体を離した、次の瞬間
ドーンという大きな音がした






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