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裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ




待ち合わせの日

約束の橋の真ん中で、イザナが欄干にもたれていると
時間ピッタリにレイナが現れた


『ゴメンね〜、待った?』

「……」


手を振りながら小走りで近付いてくる彼女を見つめていると
不思議そうに顔を覗き込まれる


『黒川クン?』

「……ぇ…」

『…どうかした?』

「………ぁ……ウウン…」


偶然に再会したこの間と
時間と場所を決めて待ち合わせた今日とでは
一緒に過ごす意味が違うような気がする

そんな事を考え出してから
無性に落ち着かない気持ちになっていた


(……ヤベー……何だか意識しちまう…)


『…?』

「……な、何でもない…………行こっか…」

『ウン♪』


イザナは目の前に停めてあった単車にまたがると
レイナにメットを差し出した


『…ぇ……このバイク…黒川クンのなの?』

「そうだよ。……後ろ乗って?桜木町の方まで行こう」


メットのアゴ紐を止めながらそう言ったイザナに
レイナは瞳をキラキラさせて頷いた





中学生になると
真一郎にせがんで単車の乗り方を教えてもらった

愛車は中古のCBR400F
後ろに女の子を乗せるのは初めてだった



連れてきたのは
メイン会場があるエリア

三日月型のホテルの傍に単車を停め
水辺の方へ歩いていく


花火の時間が迫るにつれ
この地区には人が押し寄せてきていたが
建物のかげになるこの辺りに
ひと気は無かった


『広場の方、人がすごくて今からじゃもう入れなそうだよ……部活なんてサボっちゃえば良かった…ゴメンね』

「…大丈夫。もっと良い場所があるから」


イザナはそう言うと
" 関係者以外立ち入り禁止 " のロープを越えて、桟橋の方へ階段を降りていく


『……黒川クン?……そっちは入っちゃいけないんじゃ…』

「…ホントはね……でも平気。何度も来てるから」

『…ぇ…』


ロープの前で立ち止まっているレイナを見て
イザナは途中まで降りた階段をもう一度戻ると、右手を差し出しながら言った


「…暗くなってきたから…引っかからないように気を付けろよ…」

『……ぁ…………ウン…』


レイナは少し驚いたようにイザナを見つめると
差し伸べられた手に自分の指先を重ねた







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