第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
横浜港の開港を祝って、毎年6月のはじめに催される開港祭
この日はほとんどの公立の学校が休校になるが
レイナの通う私立の中学は
いつも通り授業も部活動も行われるらしかった
「…じゃあ、部活が終わってから待ち合わせしよう」
『ウン。どこがいいかな』
「……今日…元町から中華街に来る時に一緒に渡った橋、あるだろ?……あの橋の上で」
『分かった。楽しみにしてるね♪』
「オゥ……じゃあな」
レイナが家の中に入るのを見届けてから
イザナと鶴蝶は並んで施設の方へ歩いていく
「…なぁ、イザナ〜…やっぱアノ人と付き合ってんだろ?」
「は?」
「だって…さっきの会話とか、どー考えてもデートの約…束…」
スパンッ
「マジでうるっせーんだよ‼︎…ガキは黙ってろ‼︎」
「……分かったよ…」
「……………ったく…」
「……」
「……」
「………………………アノ人………ずっと……楽しそうに笑ってたな…」
「…………あぁ…」
「……………" 話せて嬉しかった " って…」
「………………ウン…」
「……………………良かったじゃん。……イザナ…前に初恋の人だって言ってたもんな」
「鶴蝶‼︎テメェ今すぐその記憶消せ‼︎」
スパァンッッッ
「…アッハハ……痛ってぇー」
ぼんやりと街灯が照らす通りに
明るい笑い声が響いた