第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ
3人でたあいのない話をしていたら
アッという間に時間が過ぎていった
レイナはいつの間にかすっかり日が落ちていることに気付いて時計を見た
『……私…そろそろ帰らなきゃ』
「…そっか……鶴蝶、そしたらオレ達も帰るか」
「オゥ」
イザナは席を立つと、カウンターで新聞を読んでいるマスターの所へ行き
会計を頼んだ
「…シンイチローのツケじゃないのか?」
「ウン。今日はオレが払う」
笑顔でレジを打ちながら
マスターは「そう言えば来週は開港祭だな」と言った
「…あー…そうだった…」
「彼女と行くんだろ?いいねぇ若いモンは…」
「…マスター…オレ達別に付き合ってないよ」
「そうなのか?…それじゃあ花火にでも誘ってビシッと決めてこい」
「え⁇」
頬を染めたイザナに
マスターは親指を立てて頷いた
その時
レイナがレジの方へ近付いてきた
『……黒川クン……これ、私の分…』
「いいよ。おごる」
『…でも…』
「いいって」
『………どうも…ありがとう…』
「イザナ、サンキュー♪」
「おー」
さっさと行ってしまった2人の後を追い
レイナもマスターに礼を言って店を出た
徒歩で来ていたイザナと鶴蝶だったが
レイナと話をしながら駅へ向かい
そのまま、一緒の電車に乗って帰ってきた
家の前まで来ると
レイナはイザナに言った
『…今日はホントにありがと…』
「……ぁ…ウン…」
『…黒川クンとまた話せて…嬉しかった…』
「……ぇ…」
『………それじゃ…』
「……ン………じゃあな…」
背中を向けたレイナを
イザナは呼び止める
「……っ…あのさ…」
『…ん?』
「………来週…開港祭だろ?………それで…………もし良かったら……………花火、一緒に見に行かないか?」
ボンヤリとした街灯の下で
レイナの笑顔が弾けた
『…行く♪行きたい!』