• テキストサイズ

裏夢・短編 詰め合わせ【東リベ etc.】R18

第15章 東京卍リベンジャーズ・黒川イザナ




レイナを先導して橋を渡り
中華街側へ戻る

まるで自分の庭のように毎日顔を見せに来ているイザナに
商店の人達が親しげに声を掛けてきた



「お、学校終わったのか?」


「今日も髪型キマッテるなァ」


「アラ?イザナ、またちょっと背伸びた?」


「甘栗、持っていくか?」



そして
隣にいるレイナの存在に気が付くと
皆、冷やかすように「彼女か?」と聞いてくる

その度にイザナは戸惑いながら説明した







連れて来たのは
裏通りにあるさびれた喫茶店

昔から真一郎と2人でよく来ていて
初老のマスターともすっかり顔見知りになっていた


窓側のテーブル席に、向かい合わせに座る


「………ハァ…………何でみんな同じ事聞いてくるんだ…」

『…黒川クン…みんなに可愛がられてるんだね…』

「は?…っ…オレ、もうガキじゃねーし」


子供扱いに少しムッとしたイザナを見て
レイナはクスクスと笑った


他に客の居ない薄暗い店内を見渡しながら
彼女が『素敵なお店…』と言うと

頼んだ飲み物を運んできたマスターが「若いのによく分かってるねー。ハイ、これサービス」と、クッキーを出してくれた


「ありがと、マスター」

『…ありがとうございます』


マスターは「デートかい?ごゆっくり」と微笑むと
イザナが反論する間もなくカウンターの中へ戻っていってしまった


「…な……何だよ…マスターまで…」

『……フフ………そんなに付き合ってるように見えるのかな……私たち…』

「……ぇ…」


レイナはアイスティーに細いストローをさして一口飲み
向かいに居るイザナを見た


『……何か、不思議な感じだね…』

「……ぁ………ウン…」

『黒川クン…元町、よく来るの?』

「…んー…橋の向こうはあんまり……今日はたまたま逃げたヤツ追っかけ…て……って……………いや、何でもない…」


慌てて言葉を濁すイザナに
レイナはまたもクスクスと笑う


「……」


その笑顔から目を逸らせないでいると
彼女は突然真面目な顔をした


「…?…」


身体を前に乗り出すようにして
小さな声で言う


『…黒川クン…』







/ 655ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp