第12章 東京卍リベンジャーズ・場地圭介 ②
集会で " 東卍を辞めて芭流覇羅に行く " と宣言した後
何度も千冬から連絡があったが、ずっと放置していた
そんな千冬を
俺は「話がある」と言って呼び出した
電話で指示した待ち合わせ場所に特攻服姿でやってきた千冬は
とても心配そうな顔をしていた
「……場地さん……他に…やり方は無かったんスか…」
「あ?」
「…オレ…これまで、場地さんには何か考えがあってやってることだって思って……黙って見守ってきたつもりです…………でも……いくらなんでも東卍辞めちまうなんて……納得できねぇっスよ…」
「……」
「……場地さん………何かしようとしてんなら……もう、ひとりでやろうとしないで…相談してください……オレに出来ることなら何でもしますから…」
毎日のようにつるんでいた俺が
稀咲を調べる為に突然単独で行動することが多くなった時も
一虎が芭流覇羅の幹部だと知って、頻繁に会う為に学校を休むようになった時も
千冬は何も言わなかった
頭の中を読まれてるんじゃないかと思うくらい物分かりのいい千冬にそんな風に言われて
俺は " 事情を話して味方になってもらえたら、どんなに心強いだろう " と思った
けれど
コイツにまで東卍を裏切らせるような真似はさせられない
千冬には、俺が抜けた後の壱番隊を託したかった
俺を信じ、こんなにも心配してくれている千冬の真っ直ぐな気持ちを
この手でへし折らなくてはいけないのかと思うと、吐き気が込み上げてきた
その時
俯いている俺の後ろから
一虎の声が聞こえた
「…よぉ……オマエが場地の舎弟?」