第63章 【第六十二訓】スキーに連れて来た将軍様はお帰り遊ばしたの話
「ぼふっ」
○○は顔面から雪に突っ込んだ。
初めてのスノーボードに悪戦苦闘。
「なかなか滑れないもんだね」
○○は二泊三日のスキー旅行に来ている。
神楽が商店街のくじで旅行券を引き当てた。いつぞやの宇宙旅行といい、神楽はくじ運がいい。
ただし、旅行先では必ずトラブルに巻き込まれている。
「そうだな。将ちゃんボードの方が滑りやすかったぜ」
「アンタ、言動には気をつけなさいよ」
昨日、銀時は遭難をした。
征夷大将軍・徳川茂茂がお忍びで遊びに来ており、新八、神楽、妙と共に騒動に巻き込まれた。
将軍をボードにして滑り去る銀時を○○は見ていた。
すてんと転んで起き上がれず、モタモタしているうちの出来事。
おかげで○○は遭難を逃れ、山崎らと銀時達の捜索に参加した。
幸い早い段階での発見に至り、旅行二日目の今日はこうして無事に雪山を楽しんでいる。
「立つことすら一苦労だよ」
よろよろと、○○は起き上がる。
「勃つのは俺ァ得意だけどな。男だから」
「テメェはいつも○○にそんなセクハラ発言してんのか」
場違いな男が口を挟んだ。
新八と神楽と妙は別行動を取っている。
二人きりになるよう妙が気を利かせてくれたのだが、二人きりにはならなかった。
「この程度がセクハラって、どんだけお子ちゃまなんだよ、鬼副長様は」
銀時、○○と共にいるのは、土方十四郎。