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~月夜の紅~ 銀魂原作沿い小説

第61章 【第六十訓】イボは自分でとっちゃダメな話


「何がどうなってんですか!? え、沖田さんは!!?」

 土方と○○は初めから通じていた。
 沖田が江戸を狙っていると、二人は察知していた。
 ○○は恋人のフリをすることで沖田を牽制し、土方は仏となったフリをし地位を捨て、行動の自由を得た。
 そして、秘密裏に情報を交換していた。
 逢瀬――密会を重ねるうちに、土方と○○は互いを想う関係へと発展していた。

「土方さん、アンタって人は……」
「沖田さん!!」

 複雑な愛憎模様に関わる、もう一人。
 沖田は気づいていた。○○が自分を愛していないことに。
 ただ、他に男がいることには、すぐ近くにその男がいることには、気づいていなかった。

「許せねェ」

 沖田は○○を抱き寄せた。

「○○を悲しませる奴ァ、誰だろうと許せねェ」

 その行動に○○は困惑する。

「そ、総悟……?」

 沖田の手が震えていた。
 恋人の裏切りによるものか、恋人を泣かせた男に対する怒りのためかはわからない。

「アンタ、私のこと利用してただけでしょ?」
「最初はな」

 局長に就任し、江戸征服を企てたその時に、○○を利用する計画を立てた。
 銀時がこの街へと戻った時、それは決行されるはずだった。
 だが、二年の間に思わぬ弊害が生じてしまった。
 他者による干渉ではない。沖田自身の問題。
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