第4章 望まない休日
かあ、と赤くなってソウカナとか
ソンナコトナイとかモゴモゴしだした。
なんとまあ、分かりやすい。
しかし嫉妬の対象が喧嘩したなんて
放っとけば良いのに優しいというか
子供だからか甘いというか。
「リタちゃんのゼリー美味しかったな、
博士にも持ってってあげたら?」
「……博士甘いもの、
あんまりすきじゃなくて」
あらぁ、露骨に落ち込むじゃない。
なるほど、だからモモンゼリーなのに
甘すぎない味だったんだなぁ。
ジャムや生クリームじゃなくて
わざわざコンポートなのも……。
「ロメの実って知ってる?
よくお漬け物になってるあれ。
熟したロメとお肉でミートパイにすると
ほんのり甘くて美味しいよ」
「ロメの実……、美味しそうかも!」
パッと端末を取り出しレシピを
検索し出すリタは微笑ましい。
それなら二人で美味しく食べることが
出来るんじゃないだろうか。