第3章 開花
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シ「それは俺でも果たせますか?」
『し、シルバー!?』
シ「なんだ」
『引かないの…?」
シ「なんでだ」
なんでだって…え?なにそれ。シルバーの思わぬ発言に言葉に詰まってしまう。
私が混乱していると、ずっと黙っていたマレウスがくすりと一つ笑って言った。
マ「だから言っただろう」
『マレウス?』
マ「心配しなくてもシルバーとセベクはお前を軽蔑したりしない」
そうだろ?と言うようにシルバーとセベクに視線を向けるマレウス。
シ「なぜ軽蔑するんですか?」
『だ、だって、いろんな人とえっちするんだよ!?…普通軽蔑するでしょ…』
どんどん小さくなる私の声に、なんとか状況を整理したのか、久しぶりにセベクが声を発した。
セ「お前の身体がそういう体質なんだろう?どこに軽蔑する要素がある!仕方ないことだろう!」
いつものセベクだ。軽蔑なんて言う言葉は彼らの目からは感じられない。
その言葉に思わず、涙があふれる。なんて、暖かい場所なんだ…。やっぱり私はみんなが好き…、大好きだ。
私は今までの緊張の糸がプツリと切れたかのように、そのままマレウスの腕の中で眠ってしまっていた。
マ「本当なら、僕だけに抱かれてほしい…」
そんなマレウスの言葉を耳元で聞いたような、聞いてないような…。
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