第1章 繁忙期
娼館に行く、という事がどういうことか#NAME1#は理解しているし、ジャーファルが視察も兼ねて娼館に行ったことがあることも知っているし、シンドバッドやシャルルカンに誘われてたまに行っていることも知っていた。
だが、やはり。
片思い中の好いた男が、他の女で欲を発散しているなど嬉しくはない。分かってはいるのだ。自分はジャーファルに好意を伝えたことは無いし、止める権利があるわけでもないことは。ジャーファルとて男であるし、溜まったものを吐き出す必要があることも。頭では分かっているのに。
(ジャーファル様がハッキリと娼館に行くとおっしゃるなんて…)
正直、思わなかった。いつもはあまり乗り気じゃ無さそうに見えたから。しかし、#NAME1#は思い出した。シンドバッドの会話を。
「ジャーファルってすごいんだぞ#NAME1#!娼館のお姉さん方が骨抜きにされて、王様立つ瀬がないよ…俺の方が女性の扱いには長けているのに!ジャーファルくんが七海の覇王の名に泥を塗っているんだ!」
「ちょっと黙りましょうかシン。#NAME1#に何を吹き込んでいるんですか。死にたいんですか?」
「ジャーファルくん!?目が笑ってないというか暗殺者の目になっているんだが!?」
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ジャーファルとて、男。ならばやはり、"そういう所"に"そういうこと"をしに行くのは満更でもないのかもしれない。