第2章 冷たい胸に火が灯る
用意された布で体と頭を拭き、その布をそのまま身体に巻き付ける。シャワールームからジャーファルのいる部屋に出ると、ジャーファルが少し息を飲む音が聞こえた。
「シャワー、お借りしました」
布しか纏っていない状態でジャーファルの前に出るのはかなり恥ずかしかったが、隠すものが何も無いよりはいい。
「あ、の…ジャーファル様、あまり見ないでください…恥ずかしいのです」
ジャーファルは#NAME1#の曝け出された肌に視線を奪われ釘付けになっていたが、#NAME1#のその声にハッとして、ゴホンと咳払いをする。
「ベッドに座って待ってて。なるべく早く出てくるから」
ジャーファルはそう言うと、先程まで#NAME1#が居たシャワー室へと消えていく。
1人になったジャーファルの部屋で、言われた通りベッドに座った#NAME1#は、ドクドクとうるさく鳴り響く心臓を落ち着かせようと、必死で深呼吸を繰り返す。しかし、その度に鼻腔をくすぐるジャーファルの香りが胸の鼓動を速めてしまう。