第6章 *鬼
無:「お前も思ったか。確かに、分け与えた血の量が少なかったのかもしれん。だがお前のために手加減したわけではない。」
童:「無惨様!直々に足を運ばれるなんて!しかも先ほど会ったばかりなのに、どうなさったのです?」
無:「黙れ。お前と話に来たのではない。と話をしにきたのだ。」
:「話すことなど何もない。」
無:「ならば、何も話さずに手を施してやろう。」
:「何を…はっ!」
が言葉を言い切る前に無惨は間近に迫ってきた。
無:「話すことはないと言ったのはお前だろう。」
童:「無惨様何を…!?」
無惨はそう言うとの首筋に噛み付き、血を分けた。そしてその傷口をぺろっと舐めた。
:「くっ…あぁっ」
は膝から崩れ落ちてしまった。
無:「今度はどうだ?こちらを向け、」
童:「無惨様!!!」
:「…?んっ、んんっ…」
無惨はの顎に手を添え上を向かせ、唇を啄んだ。
無:「そのように惚けた顔をして。お前は人の血肉ではなく、人や鬼の欲を糧とするのだな。まあ、良い。その顔をしていれば誰でも寄ってくるだろう。またこれも新たな発見だ。上弦の慰みものにでもなるといい。」
無惨は満足そうな顔をして童磨の屋敷を去っていった。
童:「!だめじゃないか!あんな顔しちゃ!あんな、無惨様を誘うようなか…お……?」
:「…童磨…私…変なの…今まで感じたことないほど…体が熱いの…鬼は飢えているとき…こうなるものなの…?」
は赤く蒸気した頬、潤んだ瞳で童磨を見上げた。
童:「違うよ、。鬼は飢餓でそんな風にならない。の体質は特殊なんだ。鬼は条件が揃わないと死なないから、飢餓になって死ぬこともないけど、の体がつらいと思う。」
:「童磨…助けて…もう一度…私を救って…」
の大きな瞳から涙が溢れた。
童:「、それどういう意味で言ってるか分かってるの?俺に抱かれるってことだよ。」