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【呪術廻戦】致死量の呪縛

第4章 水魚之交


 再び唇を奪われて、舌が絡むとそこから自分の血の味と匂いがする。鉄の錆びた嫌な味だ。けれど、それが宿儺の唾液と絡まって啜ると、堪らなく美味しく感じてしまう。

「んぅ……ふ、ぅ」

 次第に呼吸が苦しくなると、美代の唇から自然と湿った息が漏れた。上手く呼吸が出来ない美代の姿を、また楽しむように宿儺は彼女の口腔を蹂躙する。
 苦しさと甘やかな刺激に翻弄される恐怖から逃げようとした美代の舌を逃さないようにと、執念深く宿儺の舌が絡みつき、そのまま舌先で根元を擦られると、ゾクゾクとしたものが背筋を走った。

「……ん、ん、っ」

口腔を舌で弄られているだけで、美代は次第に頭の中がぼんやりとしてくるのを感じた。目の前が霞む。耐えきれずに宿儺の腕に手を伸ばして彼の着物の袖を掴んだ。
 その動作を合図に、更に口付けが深くなったような気がした。
 口の端から垂れる唾液がどちらのものかなんて、もう分からない。深く口付けられながら、宿儺が彼女の身に付けていた制服を力任せに剥ぎ取った。
 美代は突然のことに驚き、咄嗟に自分の身体を腕で隠すようにすると、ようやく唇を解放してもらえた。
 
「ちょっと、待って……」
「既に千年も待たせただろう。これ以上待たせるな」
「ちが、だ、だって、私だけ、裸になるのはずるいじゃない。それに、制服を破くなんて聞いてない……!」

美代の言葉に、宿儺は意味がわからないと言った様子で呆れの溜息を溢した。

「それならお前が脱がせばいいだろう」
「え……っ?」

グッと腕を引かれると、宿儺の膝の上に向かい合って乗る体勢になってしまう。辺り一面は真っ暗で、宿儺の瞳だけが暗闇で赤々と燃ゆるように情欲の炎を灯して美代を見つめていた。美代を試す愉楽を含みながらも、決して獲物を逃さぬ鋭い眼光に捕らえられて、ドキリとする。

「なんだ?脱がさぬのか?俺が許可したのだぞ」
「だ、だって……」

素肌に擦れる宿儺の着物の感触。互いの汗。触れ合う場所から生まれる熱。
そして、美代の秘部のあたりに硬くて一際熱を持った塊が押し上げている。
 その正体が何かわかって仕舞えば、美代が今全身を晒していることなど頭の端から容易に抜け落ちてしまった。
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