第10章 最終章 最後の歌
*ジャーファル目線*
急に、眩しい光が私の体を包み込んだ。
「一体何が・・・!?」
少しして、目を開くと・・・・・・・・・・・・・・・
そこには”魔装”したように綺麗な服を身にまとい、白い光を放つネックレスを身に付け、金色の髪を靡かせたミルカがいた。
「はっ・・・・・・・・・ははっ・・・やった、やったぞ!
これこそ俺たちがずっと探し求めていた”英雄ウレリア”の力だあ!!!」
ジュウトが狂気めいた笑い声をあげる。
英雄ウレリア・・・少しだが、聞き覚えがあった。
確か、今のアクティア付近に存在していた村で、大火事から村を救った魔道士がいて・・・・・・
割と昔の話だったはずなのだが・・・・・・ミルカはその、血縁者だというのか!
「ミルカ・ウレリア・・・・・・それが、私の名前」
彼女はいつもとは違い、大人びた声を発した。
それに呼応するかのように、彼女の周りを飛び交っていた青色のルフがピイピイと鳴く。
今の彼女は、いつもの彼女ではなくなっていた。
「おもしれえぜ、お嬢ちゃん・・・でも、これを見たら迂闊に動けねえんじゃねえか?」
そう言ってジュウトは、スッと手を挙げる。
すると彼の右側に人が出現した。
「ユウナっ!!」
そう、それはミルカの親友・・・・・・・・・ユウナさんだった。
「この子の命は俺が預かってるんだ。そりゃあ手出しはできねーよな?ははは!!」
彼がそう言っている間、私は国の惨劇をただ見ていた。
国が、王宮の方までもが、炎に包まれている。
先ほどヤムライハ達が戦いに行っていた者達の仕業だろう。
シンは戦いの最中。八人相はほとんどが傷だらけ。
私が消しに行かなければ、と思ったが、頭上からサリに攻撃され、足に電流が走る。
「うぁ・・・・・・」
「ジャーファルさんっ!!」
ミルカは高くて、声になりきれていない声で私の名を呼んだ。
かわいそうに、目に涙を浮かべながら。
「許せない・・・・・・貴方たちが許せない。
ウレリアさん、お願い。力を貸してっ!!!」
彼女が叫ぶと、ネックレスは更に強い光を発し、
更に多くの青ルフが飛び交い騒ぎ始めた。