第10章 最終章 最後の歌
*シャルルカン目線*
「初めまして、に近いのかしら。私はツミテ。魔法もちょっとだけ使える、剣士よ」
俺が戦う相手は、嬉しいことに剣士だった。
左側ではヤムライハとピスティがやられ、右側ではマスルールが勝負を決めたところだった。
俺?もちろん互角くらいの戦いを見せてるぜ!
「あらあら~。大丈夫?そろそろ身体、ボロボロになってきてるわよ」
そう、実は相手は結構強かった。
身軽な身のこなし、正確な突き技。
相当な基礎訓練、実践経験を詰んだ剣士のようだった。
「・・・つまらないわ。そろそろ、終わりにしない?」
相手は、まるで今から本気で戦うような口ぶりを見せた。
それなら俺も、眷属器を使ってやる!
全ては国のため、さらわれたミルカのため。
「眷属器・・・」
眷属器を発動しようとしたときにはもう、俺はその場に倒れていた。
腹が痛え。一体何が起こったんだ?
あいつが視界に入っていない。何処行きやがった!?
「此処よ。お馬鹿な剣士さん・・・」
後ろから声が聞こえる。ああそうか、魔法を使って距離を詰めやがったのか・・・
無様に倒れた俺の意識は、すぐに消えてしまった。