第38章 ※分かった事、煉獄家のお出掛け
重「杏寿郎様!!桜様!!」
「わ、私まで…身内なのにな…。」
杏「すまないが父上はこのように大々的に迎えられる事を苦手としているので お気持ちは有り難いが控えてくれると助かる!!」
頼「で、ですが…!」
それでも尚食い下がろうとした頼勇を見つめると杏寿郎は最終手段を使った。
杏「父は命に関わる重病を患っている。なるべく早く部屋で休ませて頂けると助かるのだが。」
その言葉を聞くと皆青ざめながら建物の中へと散っていった。
残ったのは若女将である水琴のみ。
桜は側に寄ってきた千寿郎と槇寿郎を期待を持った目で見つめたが 二人とも首を傾げた。
千「似てないです。」
槇「似てないな。」
「………えっ!?」
水「ふふっ。煉獄槇寿郎様、杏寿郎様、桜様、千寿郎様。ようこそお出でくださいました。ご案内いたします。」
水琴はすっかり落ち着きを取り戻し 取り乱していた時とは別人の様だった。
その頭には以前杏寿郎が拾った形見の簪が差してある。
杏「調子を取り戻したら益々君とは似ていないな。………桜?」
「…えっ…あ、はい……そうだったんですか…。」
桜は杏寿郎と同じく水琴を見ていたが会話がどこか噛み合っていないようであった。
杏(今に始まった事じゃない。隠している様だが任務前後に何かあったな。)