第36章 任務同行
隠「申し訳ありません、炎柱様!!すぐに普通の隊服を用意しますので!!」
その怯え様に杏寿郎は少し目を大きくさせる。
そして前田が完全に気絶している事を確認すると笑みを浮かべながら桜に前へ出るように促した。
「は、初めまして。一ノ瀬、」
杏「煉獄だ。先程君が決めたろう。」
桜が自己紹介をしようとすると杏寿郎は桜の指輪に触れながら耳元で訂正した。
それに顔を赤くさせると桜は少し俯いて再度口を開く。
「……煉獄 桜です。隊服をお願いした者です。お手数おかけしてしまって申し訳ありません。」
斎「ああ、やはり噂の方でしたか…!私はこの男と同じく縫製係の斎藤と申します。謝る必要など微塵もありません!!どうぞこちらへお上がり下さい。」
促されるまま一室へ入ると出ていった斎藤と入れ違いに他の隠が震えながら茶を運んでくる。
桜は噂の力に驚きながらも急いで駆け寄ってお盆を持つ手を支えた。
「だ、大丈夫ですか…?その手、火傷しちゃったんじゃ…。」
桜がそう言いながら目を遣った先の手はお湯を被ったように濡れて肌が赤くなっていた。