第34章 緊急事態、柱合会議
そうして桜が楽しく盛り上がっている間に杏寿郎はユキと必要な話を済ませ、残っていた小芭内の側へ寄った。
小「……煉獄、悪いがもし本当にあれの色香が異常ならば俺は下りる。」
杏寿郎は断られたとは言え小芭内が話を信じてくれていた事に笑みを浮かべた。
杏「そうか。残念ではあるがしっかりと断る事も誠意の表れだからな!ありがとう、小芭内!!」
そう言って見送ろうとしたがいつまで見つめていても小芭内は動かない。
杏寿郎が微笑んだまま首を傾げると小芭内は視線を外して俯いた。
小「一ノ瀬は…杏寿郎の婚約者と聞いたが。」
杏寿郎は久しぶりに自身の下の名を呼んだ小芭内にパッと表情を明るくさせると桜との馴れ初めを説明し始めた。
一方、桜もまた蜜璃に根掘り葉掘り訊かれ、寄ってきたユキと少し話をした後 外へ向かって歩きながら杏寿郎との馴れ初めを話していた。
杏寿郎がいない場で何もかも話してしまっては悪いと思って具体的な事は伏せてしまったが、それでも蜜璃はきゃーきゃーと喜んでくれた為 桜はほっとして微笑んだ。
「蜜璃ちゃんは伊黒さんと仲がいいの?」
一緒にいた時間が多かったような気がして何気なくそう訊くと 蜜璃は真っ赤になって顔を手で覆った。