第33章 準備期間
「は、はい!…なんでしょうか……?」
杏「起こしてすまない!だがユキとこれから体をどう使うか話し合ってくれ。話せるユキとはここでお別れだ。」
「…え………?な、なんで……。」
桜の不安そうな顔にユキも申し訳なさそうに髭を垂らす。
ユ『私はここを離れられない。信仰する者のところには行けるが、桜は私の友達だろう。その代わり胸には留まっている。会話はできないが、ちゃんとそこにいる。……桜…泣かないでおくれ……。』
杏(桜はユキの前だと随分と幼くなるのだな。)
杏寿郎の目の前で桜はユキに抱きついて幼い子の様に泣いていた。
――――――
「まず私が任務同行の時は絶対に必要!この体は今から鍛えても足手まといになるから…。あとは鍛錬をしたいなあ……。」
しばらく泣き止まないように見えた桜は五分も経たないうちにケロッとした声でユキと話し合いを始めていた。
ユキは少し寂しそうな複雑な空気を纏っていたが杏寿郎に特に意図のない笑みを向けられると頭をふるふると振って姿勢を正し 桜に向き直った。