第33章 準備期間
「ごちそうさまでした!」
杏「ご馳走様でした!!!」
そう言うやいなや杏寿郎は桜をひょいっと抱き上げる。
「杏寿郎さん…?」
杏「用事はなるべく早く済ませて早く帰ろう!」
桜はそれに頷くと杏寿郎の腕から下り、 "自分が運んだ方が良いのではないか" という杏寿郎の提案を何度も断りながら勇重を探した。
途中捕まえた仲居に取り次いでもらい案内された部屋で勇重を待っていると、杏寿郎が側にいて安心した為か桜がうつらうつらとしてくる。
杏寿郎はそれに気付いたが微笑み、肩を貸すようにただ身を寄せた。
重「煉獄様、桜さん、お待たせ致しました。」
昨日と打って変わって勇重は落ち着いた声を出した。
杏寿郎に入るように促され襖を開けると杏寿郎が微笑みながら口に人差し指を当てていた。
杏「無礼を許して頂きたい。」
それから杏寿郎は二部屋の謝罪と多すぎる修繕費を押し付け 桜を抱きながら部屋をあとにした。