第30章 弟と姉の絆
鬼「お前…その強さ…一体……、」
杏「うむ!柱だ!!」
鬼「柱…?なんで……。俺は最近目立つような行動はしてな、」
杏「そういう君は水琴さんの弟のヒロトさんだった鬼だな!!姉を殺すな!頼勇さんに返してやってくれ!!俺も桜もとても迷惑している!!」
その言葉に鬼は目を見開くと額に青筋をビキビキと浮かべる。
鬼「あの女を殺す気など端からない!!俺は他の屑だけを…あの…女以外の…、」
杏寿郎はその様子に眉を寄せた。
杏(殺す気がない、か。やはり変わった鬼だな。水琴さんに固執している。…こういったやり方は好かないが致し方ない。)
杏「このままだと今年中に水琴さんは死ぬぞ。」
杏寿郎はそう言って鬼を動揺させると足を踏ん張り、鬼が僅かに向けた視線の先に向かって重い打撃を与えて固い鬼の体を吹っ飛ばした。
―――ドガァァァンッッ
大きな音と共に洞穴に風穴が空くと、杏寿郎はそれを追って走っていく。
隆「滅茶苦茶だ……。」
茂「………お、俺達も行くぞ!」
邪魔にならないようにするので精一杯であった二人は一度呆けてから慌てて後を追った。