第30章 弟と姉の絆
鬼「只の女じゃない。屑だ。反省させるために街から林へ連れてきている。反省しても帰しはしないが。」
杏「では、君の姉はどういう意図で連れてきたんだ。」
鬼はその言葉に答えずただ不快そうな表情を作った。そして、
鬼「血鬼術、岩戸隠れ。」
と、また覇気のない声で呟くと刀を抜いて構えた杏寿郎に向かって走り出す。
杏「炎の呼吸、壱ノ型―不知火!!」
杏寿郎の日輪刀は岩になったものの、その速さに鬼も仲間も目を見開いた。
杏「何を呆けている!!鬼の前だぞ!!!」
茂「は、はい!!」
隆「煉獄さんの剣技が凄くて!!」
杏「うむ!その言葉は有り難いが今は集中しろ!!!」
隆「はい!!」
ユ(杏寿郎は強いようだな…これなら水琴も "隆史も" 助かるだろう。)
―――
鬼と対峙してから随分と経ったが刀じゃない為に技の威力が半分以下に落ち、未だ隙を作れずにいた。
それでも杏寿郎の強さは鬼に伝わった。