第30章 弟と姉の絆
杏寿郎は胸ポケットの白石が合流を知らせるように温かくなったのを確認すると、茂雄と隆史とも合流し 早速女性のいる林の中へ案内させた。
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杏「木が大きくて随分暗いな。まだぎりぎり日が出ている時間だが洞穴に篭もらずとも此処らなら鬼が動けてしまいそうだ。」
茂「そうですね…。あ!あと少しです!!あの中に…と言っても女性がいる所は奥の奥なんですが…。」
隆「洞穴の中は迷路みたいに長くて、奥の広い空間には松明が沢山あって部屋みたいになってるんすよ。……それより、煉獄さんの武器ってなんですか?身軽に見えるんですが。」
その言葉に二人の後ろを走っていた杏寿郎は微笑みながら首を傾げる。
杏「日輪刀だ!!!」
茂「な………、」
隆「は!?!?」
杏「坂本に言われて思ったのだが、やはり振り慣れているものが良いと思ってな!!それに首を斬るのは澤村だろう!」
茂「確かに…じゃあ俺、木刀持ってきた意味ないんじゃ…。」
隆「念の為に煉獄さんも使えるようにしておいて下さいよぉ……。」
そんな言葉を聞いているのか聞いていないのか、杏寿郎はただ笑い声だけを返した。