第29章 大神さまの正体と目的、暴力の訳
そしてユキと目を合わせると強い光の灯る目を向けた。
「私は人の姿だと任務同行が難しい。ユキは人に姿を見せれば信仰者がすぐ増える。ここから離れ易くなる。鬼殺の役に立てる。…だから私達両方がこの見える体を使えるようにしたんだと思う。」
杏寿郎は桜の話を正座をして黙って聞いていたが、おおまかに把握すると眉を寄せる。
杏(ユキの姿になれない桜を見て、俺はほっとしていたのか。前線に行けない理由ができたと。)
そう私情から桜の使命を快く思えなくなっていた事を自覚すると 鬼殺隊の柱としての自身を取り戻すように静かに目を閉じた。
その様子をユキは目を細めて観察するように見る。
そして杏寿郎の気持ちを察すると柔らかい声を出した。
ユ『杏寿郎。あの状況なら心揺さぶられても仕方がない。だが、この子は使命を任されなければ死ぬ筈だった。全うしなければ命がどうなるか分からないんだよ。』