第28章 藤の花の家紋の家と癒猫様
「あれ…?あれ……!?怖くないかも!ねえ、ユキ!!」
茂雄と隆史は、得意気なユキに抱きついている桜の心底嬉しそうな笑顔を見て ぽぽっと頬を染める。
茂「……………。」
隆「…可愛い……。」
その視線を受けて桜が顔を向けると、二人は顔を赤くしたまま また固まった。
「あ、あの…先程は失礼な態度を取ってしまい、本当に申し訳ありませんでした…。改めまして、一ノ瀬 桜と申します。ここの血縁者で、ユキ…癒猫様と…えっと……仲が良いです。よろしくお願いします。」
ユキの背から出てきてきちんと頭を下げる桜を見て、二人はまたハッとする。
そして露骨に青くなった。
茂「あ、頭を上げてください!!」
隆「俺ら煉獄さんに殺されますって!!!」
茂「だからその言い方やめろって言っただろ!!」
隆史の直らない口調に茂雄が苦い顔をしてその後頭部を力一杯引っぱたく。
その様子を見て桜はユキと顔を合わせるとまた心底面白そうに笑った。