第27章 仲直りとお買い物
「血が出たものなら治せます。杏寿郎さんが相手ならば、槇寿郎さんに傷物と言われても構わないと思いましたが…、」
桜は拳を握って杏寿郎と目を合わせると、ぐっと顔を顰めた。
「…さ、先程の杏寿郎さんには 二度と体を許したくありません!怖い杏寿郎さんは…、…っ……嫌いです!!」
敢えてきつい言葉を投げかけると、桜はパッと背を向けて布団に入り すぐに丸くなってしまった。
杏「き、ら…………………、」
杏寿郎はそう呟くと固まった。
少しして頭が働き出すと 自身の大きな思い違いに冷や汗がたらたらと止めどなく流れてくる。
杏(…確かに体の反応だけで判断し、舞い上がっていた。)
杏「桜…本当にすまない…。こちらを向いてくれないか…。」
珍しく弱々しい声に桜は食い気味に首を横に振った。
杏「よも…。」
(絶対に簡単に絆されない…!こんなに強く言ったんだもの…すぐに許したらこれからの言葉が軽くなってしまう…!)