第27章 仲直りとお買い物
(強引…だけど……、やっぱりとても優しい……。)
杏寿郎は優しく桜を寝かせると自身も入り、掛け布団を被ってすぐに冷えた体を抱き寄せる。
杏「大丈夫か?楽にしてくれ。」
そう言うと杏寿郎は心配そうに眉尻を下げて桜の背中を優しく撫でた。
桜は杏寿郎を見上げるとその頬に手を伸ばす。
「…はい。やっぱり杏寿郎さん、とっても温かいですね…。」
桜はそう言いながら心底安心したような笑顔を作った。
そして、その笑顔のまま "優しい杏寿郎" を見つめていると 先程からずっと気になっていた自身の感情を自覚していく。
(うん…私はこの優しい杏寿郎さんが好きだ…。でも、さっきの杏寿郎さんは……、)
そう思うと桜の元気は目に見えて無くなっていった。
(ユキも体を貸してくれなかった…もしかして気にしてる私が間違ってるの………?)
(でも…、体は喜んでるって言われても、私の心は追いついていなかったし、とても怖かった。さっきの事を悪いと思ってくれなければ………、)
(…………これから上手くやっていけない…。)