第24章 不思議な縁と晩酌
杏「桜。君の体質について父上に説明してもいいだろうか。」
「…あ…………、」
(そ、そっか……杏寿郎さんが我慢できないんじゃなくて…私が………、)
そう思い至ると顔を真っ赤にする。
だが、杏寿郎に真っ直ぐな目で覗き込まれると観念したように小さく頷いた。
杏「父上、桜は特別な体質を持っています。簡単に欲情し、それも耐えられずに泣く程辛くなってしまうようです。」
「え、あの…杏寿、」
杏「そして、その際に異常な色香を放ちます。他の男に見られれば確実に襲われるでしょう。ですが、何度も達すればその色香は収まるのです。」
「そんなはっきり言わ、」
杏「そして、桜は愛し合う方法を覚えてからそちらを求めるようになりました。定期的に愛し合わねば、欲情し、色香を放ち、危険な目に遭います。なので、約束出来かねます。」
杏寿郎が言い終わる頃には桜は両手で顔を隠して黙り込んでしまっていた。
槇寿郎もあまりの赤裸々な内容に完全に固まってしまった。
杏「父上?どうされましたか?」
その場で唯一堂々としていた杏寿郎が声を掛けると槇寿郎はピクッと小さく体を揺らして我に返る。
槇「……………お前らは…もう、離れに住め。千寿郎にはくれぐれも見せないようにしろ……。」
杏「分かりました!!!」
槇寿郎の疲れきった声に、杏寿郎は笑顔でとても良い返事をした。