第4章 協力者
予想に反し、千寿郎はぽーっとした顔をしていた。
千「……あ…、」
心配そうな桜と目が合うと千寿郎の瞳が揺れる。
千「…その、最初は慌てたのですが…、不思議なくらい心地が良くて…ぽかぽかした幸せな気持ちになって………。」
千寿郎はそう言うと困惑したように照れながら笑った。
「そう…だったんだ……。」
桜はその可愛さに頬が緩むのと同時に、既視感に胸がざわついた。
また優しく撫でると、千寿郎くんは恥ずかしそうに微笑んでから俯く。
―――本当に可愛らしい…まるで………
(まるで…何………?)
「……千寿郎…くん……。あの、私の事をお姉さんだと思ってくれない、かな………。」
ぽつりと何故かそんなお願いをしてしまい、桜は我に返るとパッと手で口を押さえた。
(な、何言って……私…なんで………。)
千寿郎もその頼みには流石に首を傾げる。
千「お気持ちは嬉しいですが…その……、」
そう言い淀みながら、酷く困った顔になってしまった。
桜は後悔と困惑から言葉も出ずに眉を顰めている。