第23章 ※愛し方
口いっぱいに溜まっても精液は注がれ続け、桜は杏寿郎の顔を見ている余裕など無くなる。
そして…、
―――ごくん
他にどうしたら良いのか分からず、桜は注がれる物を飲み込み続けた。
絞り出すように体をぶるっと震わせると杏寿郎は目を開く。
杏「………………。」
桜は出し切った事を感じ取ると咥えていたモノから口を離し、杏寿郎の見ている前で口の中に溜まっていた分も綺麗にごくんと飲み干した。
そして杏寿郎の大きく開いた目を少し困ったように見つめ返しながら頬を染める。
「ふ、不思議な味…ですね……。」
杏「飲ん、だのか…!すまない!!もっと早く引き抜くべきだった!!」
そう言うと杏寿郎は眉尻を下げながら上体を起こし、桜を抱き寄せて背中をとん、とん、と優しく叩いた。
一方、桜は一回だけでも手伝えた事で達成感から頬を緩ませている。
それに気付かなかった杏寿郎は心配そうに桜の頬に手を当てて顔を上げさせると優しく口付けをした。
杏「約束したからな。願いを考えておいてくれ。」
「はい。」
覗き込んだ先の桜の顔があまりに嬉しそうなので杏寿郎は少し不思議そうな顔をしたが、応えるように微笑むとまた優しく抱き締めた。
そして、普段の二人の空気に戻ったと感じて脱力するように息をついた時、桜は自身の腹に何かが当たるのを感じた。
「…え……あ、の………………、」
杏「自分でしておいて言う事ではないが、君の胸が柔らかくて堪らず勃ってしまった。…次に進んでも良いだろうか。」
その言葉に桜は怖気づいて杏寿郎の胸に顔を埋めたまま黙ってしまう。
杏「そうか。では続けよう。」
杏寿郎は優しく柔らかい声を出した。