第20章 ※一人で

杏「………く…ッ」



初めての刺激に声が漏れる。


杏寿郎は快感に目を瞑り、更に険しい表情になった。

息は上がり苦しそうに見える。




苦しそうだが、あまりにも強い刺激と色気があり桜は目が離せなくなった。





(杏寿郎、さん……？)



杏寿郎は苦しそうに目を閉じたまま額に青筋を浮かべ、右手を動かし続けると無意識に小さく声を漏らした。




杏「…………桜…。」




それを聞いて桜の顔は真っ赤になった。




(杏寿郎さん…あんなに余裕ないのに私の名前を呼んでくれた……。)




そう思った途端、愛しくて仕方なくなる。



杏寿郎の頬におそるおそる両手を添えると引き寄せ、自ら口付けをした。


桜から舌を入れたのは初めてで、酷くぎこちない。




杏寿郎は予想外の行動に目を大きくと開くと、すぐに耐えるように眉を顰めた。