第17章 覚悟と誠意、新しい関係
食べ終わってから千寿郎と食器を片付けていると、また庭から鍛錬をする杏寿郎の声が聞こえた。
「杏寿郎さん…食べてすぐにあんなに動いて平気なのかなあ……。」
桜が不思議そうに呟くと、千寿郎はふわっと笑った。
千「兄上は食べてもすぐに胃の中が空になると言っていました!」
それを聞いて桜は目を丸くさせる。
「じゃあ、時間置かずに鍛錬し放題なのね……。」
羨ましそうなその声色を聞いて千寿郎は複雑そうな顔をした。
千「……あまり無理しないでくださいね…。」
千寿郎の心配そうな声を聞いて桜はハッとする。
慌てて横を見ると千寿郎は眉をハの字にさせて心底心配そうに桜を見つめていた。
千「桜さんが強くなる事は良い事なのに…、僕はもっと過酷な任務に連れて行かれるのではと…心配になってしまいます……。」
そう言って千寿郎は俯いてしまう。
桜は眉尻を下げると優しく抱き締め、ゆっくりゆっくりと安心を分け与えるように背中を撫でた。
「大丈夫だよ。必ず柱の方と行くようにお館様が決めて下さったから…。心配してくれてありがとう…。」
そうしてしばらく背中を撫でていると、後ろから大きな声がした。
杏「千寿郎!!水を貰いたい!!!」
―――ぽんっ