第95章 続々と
「……そういえばお義母さまの瑠は瑠璃色の瑠ですよね。なので瑠璃の璃を取ってはどうでしょう。七宝の1つという意味もあるようですし、宝物のような子で璃火(りっか)……なんて。」
桜が少し首を傾げながらそう提案すると 杏寿郎は太陽のような満面の笑みを浮かべ、瑠火も自身の名と絡めてくれた事から嬉しそうに目を細め、由梨は微笑みながら手をぽんっと合わせて賛成した。
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「璃火はどんな子に育つでしょうか。」
杏「心配するな。きっと彩火のようにしっかりとした子に育つ。」
そう言われると桜は腹を撫でながら杏寿郎に微笑み、幼稚園で同い年の子供と触れ合うようになって更に成長した彩火を見つめる。
慶寿郎と悠寿郎は相変わらず玩具の剣で戦い合う事に没頭し、彩火はピアノで遊ぶように簡単な曲の一部を弾いていた。
(1つのことに夢中になるところはみんな杏寿郎さんとそっくりだなあ。)
自身もそうである事を忘れ、桜はそんな事を思いながら微笑む。
杏寿郎達は子供の多さから悩んだ末に結局2人で住んでいた部屋を貸しに出し、杏寿郎の実家で世話になっていた。
なので慶寿郎と悠寿郎は杏寿郎が居ない間も槇寿郎に遊びという名の稽古をつけてもらう事が出来、その筋の良さから槇寿郎も2人を可愛がっていた。