第95章 続々と
それから天元達が煉獄家へ訪れたり 再び杏寿郎達が遊びに行ったりと繰り返し、厚寿郎と天満は0歳から深い付き合いとなった。
だが1年近く経って三つ子が幼稚園に入園すると生活が変わって会える頻度は減った。
そして慣れない生活から桜は天元達どころか杏寿郎との時間も減らしてしまう。
杏寿郎は構われる時間が減っていくと耐え切れなくなり、半ば強引に桜の夜を独り占めするようになった。
それは初め避妊を伴う行為であったが、次第に桜が杏寿郎の気持ちに気が付いて構うようになると 満足した杏寿郎によってその薄い壁は取り払われる。
そうして間もなく桜は5人目の子を腹に宿した。
杏寿郎は構われる時間が再び減るかも知れないと分かりつつも相変わらず酷く喜び、その子が女の子だと解ると『でかした!』、『よくやった!!』と更に桜を褒めた。
―――
「名前はどうしましょう。」
杏「烈火は…、」
「だめと言ったはずですよ。」
由「それなら "りっか" とか "りつか" はどう?」
名前を考える集まりに勝手に参加していた杏寿郎は似たような音を提案されるとパッと明るい笑みを浮かべる。
「そうしましょうか。り、り、……りつ……、」
桜はそう言いながら漢字を書き出していった。