第95章 続々と
天「こいつは煉獄よりも普通に育ちそうだな。」
漸く厚寿郎についての話題になるとそれまで雛鶴と共にまきをと須磨の戦いを観戦していた三つ子もベッドの周りに寄って来る。
「息子を褒めて頂けるのは嬉しいですが、それはどういう意味ですか?確かに昔は色々と困った人でしたがこの杏寿郎さんは違いますよ。まるで普通じゃないみたいな言い方は止めてください。」
天「普通じゃねぇからそう言ったんだよ、バカ嫁。」
慶「母上…、お母さんをわるく言わないでください!!」
悠「父上はりっぱです!!」
彩「………………………………。」
随分と口達者な2歳半の子供達に天元は目を丸くし、そして彩火の冷たい目を見ると引き攣った笑顔を浮かべた。
天「煉獄を悪く言われた時の桜と似た目ぇしてるな。ずっと静かだけどこれ通常運転なわけ?」
子供達を褒めるように撫でていた桜と杏寿郎はその言葉に顔を上げる。
杏「彩火は毎日その目をしているぞ。」
「しっかりとした子に育ってくれて安心しているのですが……誰に似たのでしょう。」
天「だからお前だって。」
彩火のしっかり具合いを知っている杏寿郎と桜は首を傾げたが、母親に似ていると言われた彩火は珍しく嬉しそうに小さな笑みを浮かべていたのだった。