第95章 続々と
慶「父上と母う、お母さんがおこられてる。」
悠「なんでだろう。」
彩「…………慶お兄ちゃんより悠お兄ちゃんの方がかっこいい。」
首を傾げていた2人に彩火がぽつりと呟いた。
すると慶寿郎は眉を顰める。
慶「悠寿郎と俺は "いちらんせい" だ。」
彩「うそ。本当はおなじ。2人ともかっこいい。」
比べられると不快になるのだという事を実験した彩火は首を傾げる兄達を置き去りにしたまま満足し、そう言って会話を終わらせてしまった。
天「とにかく人ん家でイチャつくのも家主を貶すのもナシだ。」
天元の苦言はまだ続いており、今は3人だけで話している。
「……貶してなんかいませんよ。ただ事実を、」
天「あーもうじゃあその事実とやらを2度と言うな。煉獄、お前も嫁の教育をしっかりしろ。」
杏「しているぞ。なので日々良い子になっていっている。」
天元はそれを聞き、さらに杏寿郎の黒い微笑みを見ると "良い子" がただ単に "杏寿郎の好みの女" だというだけである事を察し、誇らし気にしている桜を見ながら溜息をつく。