第78章 江ノ島観光
1つ目のエスカーを降りると弁財天黄金浄水でお賽銭用の金を洗い、江島神社の辺津宮へ向かう。
杏「宮は3社あってな、それらを合わせて江島神社という。奥津宮は少し離れているが忘れずに参拝しよう。」
「へええ!3社合わせて…。1社だけ忘れられてしまうと可哀想ですね。」
杏「そうだな。元々祀られている神がスサノオノミコトの娘である美人で有名な三姉妹だ。1人だけ忘れては姉妹喧嘩をしてしまうかもしれないな!」
「へええ…!!」
杏「まずはここ、辺津宮の田寸津比賣命にご挨拶しよう。」
「は、はい!」
(たぎつひめのみこと……初めて聞いたし漢字も分からない…さすが歴史の先生だなあ…。)
2人は参拝を済ませると本殿の右側にある御朱印受付へと足を運ぶ。
杏寿郎は江島神社の御神門である瑞心門がデザインされた御朱印帳を選び、微笑みながら隣の桜を見下ろした。
その小さな手には黒い背景に迫力のある金色の龍が舞っている男の子が好みそうな御朱印帳が収まっている。
杏「……桜はこちらの愛らしい天女様が描かれている桃色の物が似合うと思うぞ。」
「えっ、でも……、」
桜は大正時代で杏寿郎が奥義を放った時に、まるで龍を纏っているかのように見えたことを覚えていた。
それを思い出してこの御朱印帳を手に取ったのだ。
杏寿郎は少しだけ不思議そうに首を傾げたが無理強いはせず、『君が気に入ったのならそれが一番なのだろう!!』と言うと2人の御朱印帳を買い、御朱印を押してもらった。