第55章 遊郭に巣食う鬼
―――
炭(煉獄さんが来てくれて本当に良かった。今回は猗窩座の時みたいに桜さんを呼び出さないように気を付けなければならないな。……ん?)
『京極屋の……死んじゃっ……怖いね、…』
『…足抜け……怖いね。』
炭「 "足抜け" って何?」
炭治郎はときと屋の花魁、鯉夏の部屋でこそこそ話をしていた幼い女の子二人に声を掛けた。
すると二人はびっくりした顔をする。
子「えーっ!炭ちゃんしらないのぉ?」
話を聞くと天元の嫁のうちの一人、須磨が遊郭から逃げ出したという噂があるようだった。
炭(須磨!宇髄さんの奥さんだ……!)
炭「あの…、」
女「噂話はよしなさい。」
炭治郎がもっと詳しく話を訊こうとした時、部屋の主である物腰柔らかな鯉夏花魁が戻ってくる。
炭治郎は鯉夏に須磨について訊くも怪しまれた為 『須磨は姉である』と嘘をつきながら話を聞いた。