第50章 すれ違い
(もう皆死んじゃったって言ってたけど、たくさんいる兄弟のお兄ちゃんなんだっけ…。家事力高いって見た目とギャップあるけど なんだか落ち着く。)
それから数時間後 しのぶから実弥と桜宛てにお怒りの手紙が届き、桜は冷や汗を流しながらしのぶと無一郎に事情を説明する手紙を書いた。
それを鴉の足に括り付けて飛ばすと実弥が桜を居間に呼ぶ。
早足で向かうと実弥は任務の話や重要な話をする訳ではなく、ただおはぎとお茶を振る舞って他愛もない話をし始めた。
(本当に見た目とギャップがある人だなあ。気遣ってくれてる優しい心が目に見えちゃいそう…。)
そう思いながら自然と桜があどけない笑みを溢すと実弥は目を細める。
実「お前はそうやって笑ってろォ。」
「え、わわ、実弥さん…!」
実弥は戸惑う桜の髪をわしわしと撫でると再び優しく微笑んだ。
実(これは…違う………こいつは妹だなァ……。)
――――――
隊「植草!ちょっと来い来い!!」
植「…………煉獄さんとの噂なら勘違いだって何度も、」
隊「それは聞いたけどよ、実際のところどうなんだよ。」
植「…………………………。」
全く人の話を聞いていない様子に噂の中心となっている女隊士、植草 薫は溜息をついた。