第9章 鍛錬
三人は縁側に座り、休憩していた。
杏寿郎は大福の山をどんどん崩していく。
「お昼の時も思いましたが、杏寿郎さんってとても良く食べますね。」
あまりの食べっぷりに桜は感心した。
育ちが良いからか食べ方が綺麗で、尚且つとても美味しそうに食べるので見ていて気持ちがいい。
杏「ああ!よく言われるな!」
杏寿郎は桜に満面の笑みを向ける。
その花咲く幸せそうな顔を見て、桜は小さく肩を揺らすと少し目を大きくした。
そして 杏寿郎が大福に視線を戻したあとも、その幸せそうな顔をしばらくの間 ぼーっと見つめ続けた。
そして千寿郎もまた、そんな桜の様子をこっそりと見ていた。
猫の姿だから表情は分からないけど、なんとなく桜がどんな気持ちなのか分かった気がして 千寿郎は小さく微笑んだのだった。