第47章 ※前途多難
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無「何で一緒に入っちゃだめなの?」
「…………私は別にいいんだけれど、」
その言葉に他の隊士は目を丸くする。
「多分、杏寿郎さんが拗ねる。」
無「………じゃあお風呂の前で待ってる。」
その言葉に桜はほっとしたような笑みを浮かべた。
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(無一郎くん、すーっごい徹底してくれてる。これなら幸さんの息子さんと会話もしないまま "さよなら" になるかもなあ。)
そう思いながら背を流すと桜は少し狭い湯船に入る。
ほっと息をつきながら胸に意識を集中させてみるとぬるい温度をユキが伝えてくれた。
(まだ倒してはないけど怪我もないって感じかな…。頑張って…杏寿郎くん。)
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一方、桜にちょっかいを出そうとしていた英照は隙のない無一郎に苛々としていた。
英(信じ難いが五人の中で一番敬われていた。迂闊に手は出せない…。)
そうして英照と接触さえしないまま寝る時間になり、桜は一緒に寝ると言う無一郎の申し出を断ると血で汚れた一室の代わりに新しく充てがわれた部屋に入って布団に潜り込んだ。