第47章 ※前途多難
「…………え……一緒に?」
無「……?…男の人と二人きりにしちゃだめなんでしょ?」
「あはは。お風呂で男の人と鉢合わせることはないから大丈夫だよ。」
桜がそう言って呑気そうに笑うと無一郎は眉を寄せる。
無「本当にそう思ってるの?この家の男の人、気を付けた方がいい。」
「………え…、」
(幸さんの息子さんのこと…?確かに幸さんの年齢から考えると若いはず。……まだ会ってもいないのに不安になってきた…。)
―――
杏(むぅ…白石が温かいから時透の任務は終わったのだろうが…、)
杏寿郎が追う鬼は攻撃力は大して無いものの気配を消す能力に長けた鬼であり、杏寿郎は手を焼いていた。
杏(時透の態度から任せられるとは分かっているがなるべくなら家に帰って貰いたい。手元から離れるとどうしようもなく落ち着かない。俺の任務にのみ同行したとして本当に隊士達から不満が出るだろうか。今はユキが十二分に活躍してくれている。お館様に願い出てみようか…。いや、すると俺は他の柱の皆に危険な任務を任せきりになってしまうな…。)
杏寿郎はそう板挟みになると軽く頭を振って思考を断ち切り再び林の中を駆け始めた。