第47章 ※前途多難
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「そういえば無一郎くん、ここに泊まっていくの?」
無「うん。まさか桜帰るつもりなの?危ないと思うけど。」
「任務が早く終われば杏寿郎さん…煉獄さんが迎えに来てくれるはずなの。…でも来ないってことは難しいのかな。」
(蝶屋敷にも寄りたいし、限りある時間なるべく毎日杏寿郎くんに会いたい…。でも…、)
「任務なんだもの…仕方ないよね。」
桜は寂しそうに眉尻を下げながらもそう言って微笑んだ。
その後、夕餉を早く食べたであろう隊士達の為に夜食を勧めに来た幸は二人の足が元に戻っているのを見て目を大きくさせたが、桜がたらたらと冷や汗を流しているのを見ると何も言わずに大部屋へ案内し、優しく微笑みかけてから出て行った。
(またしても気を遣わせてしまった…。でも詮索してこない人でよかった。頼られても一般の人は治せないから知られたくなかっ、)
無「桜、食べ終わったらお風呂入ろう。」
その言葉に夜食に手を付けていた面々は咳き込んだ。