第47章 ※前途多難
治療が終わると そこが桜の部屋である事を失念している摂津が杏寿郎について熱く語りだし、その様を他の四人の隊士は大人しく聞き、桜は時折語り部に参加していた。
しかし同じ柱である筈の無一郎が語り部に加わらず 更に興味も無さそうであるのに部屋を出ていかなかった為、助けてもらったことから少し距離が縮んだ様に感じていた佐伯は思い切ったように話し掛けた。
佐「と、時透さんは煉獄さんと親しくないんですか?」
無一郎は佐伯をぼーっとした瞳で見返すと少し首を傾げる。
無「分からない。」
「あ……無一郎くんは記憶が…その、でも、杏寿郎さんもしのぶちゃん…蟲柱さんも言ってました。誤解されやすい子だって。それから…、」
そう言いながら桜は無一郎の前に座って頭を撫でながら微笑みかける。
「私はとっても優しい笑顔を出来る良い子だと思ってます。」
それに無一郎が小さく微笑み返すと桜はふわっと花咲くように笑って隊士達の頬を染めた。