第46章 新しい任務同行者
摂「濱岡!佐伯!すぐに止血しろ!!」
安「…足が……っ」
そう言いながら安達が街を離れて陰へ向かうと嫌な予感がした摂津は安達を止めようと走り寄り、結果安達の代わりに背中に攻撃を受けてしまった。
そうして無一郎がすぐに駆け付けたにも関わらず、既に足首より下が失くなり戦闘不能な隊士が二名、深い怪我を背中に負った隊士が一名、恐怖から戦意喪失している隊士が一名、と全滅も時間の問題と言える状況であった。
無「運がよかったね。下がってて。」
摂「時透さん!こいつ影の中なら目で追えない速さ…で……、」
無「藤の花の家まで運べる?あんまり外に連れ出したくないんだけど。」
そう問う無一郎の足に手を伸ばそうとしていた鬼の手がボロボロと灰のように崩れていく。
摂(いつの間に首を斬ったんだ……。)
佐「え…………?」
濱「…た、助かった………のか…。」
無「足、治して欲しければ早くして。」
少し低い声でそう告げると無一郎は藤の花の家を目指して歩き始める。
終始役に立てなかった安達は口をきゅっと結んだまま背を怪我している摂津の代わりに足を失くした濱岡を背負い、佐伯を横抱きにした。