第46章 新しい任務同行者
英(あれも鬼殺隊、なのか?女じゃないか。昨晩の餓鬼もこの女も鬼を狩れるはずがない。それなのに母さんはこんなにもてなして…騙されているに…決まって……い、る……。)
視線の先で心底幸せそうな顔で夕餉を頬張る桜を見ると英照の黒い感情は嘘のように消え失せてしまった。
その代わりに邪な感情が芽生える。
英(……………もうすぐ母さんが戻ってくる。今はまだ駄目だ。)
英照はそう思うと襖を静かに閉めて足早にその場を去った。
――――――
無(日が完全に落ちた。そろそろ出てきてもおかしくないけど…。)
無一郎は他の隊士達とは真逆の街外れに来ていた。
街の周りを一周してみた結果、どの場所も同じ気配を感じたからだ。
無(丙が一人いた。よっぽどの鬼じゃない限り死なない。被害も少ないから強い鬼じゃない可能性も高い。)
そう思って別行動を取り続けた無一郎は悪気以前に何の感情も持っていなかったが、他の隊士の中には日が落ちても全く話し合いに来なかった無一郎に苛々している者もいた。
そしてそれは安達だけではなかった。