• テキストサイズ

ねこ神様と太陽【鬼滅/煉獄さん/救済】

第9章 鍛錬





杏「よく頑張ったな。」





千寿郎の後ろに目をやると杏寿郎が桶を持って歩いてきた。

その声の柔らかさは何とも心地良く、桜は少し泣きそうになる。




だが、コトッと目の前に置かれた桶を見ると涙は引っ込んだ。

見れば水が張ってある。



(の、飲み水を持ってきてくれたのかな…。)



気持ちはとても嬉しいが、桜はまだ猫の舌を使って飲み物を飲んだことがない。

桜は少し戸惑ったがぐっと体を起こすと桶に一歩近寄る。



(………すごい喉乾いたし、チャレンジしてみよう…。)




「ありがとうございます。」




おそるおそる顔を近付け猫の真似をしてみる。



(わあ……信じられないくらい飲めない…。)



喉から手が出るほど欲しい水がすぐそこにあるのに飲めない。

さらに突き刺さるような視線を感じて冷や汗が流れる。



杏寿郎は至近距離まで迫り、期待を込めた大きな目で桜を穴が開くほど見つめていた。






「………………お、美味しい…で、す…。」





桜は半泣きでなんとか杏寿郎にそう伝えた。





/ 2679ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp